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理科の質問箱

メダカが流れに逆らって泳ぐ理由とは?走流性のしくみと飼育の注意点(かめたん命さん)

メダカが流れに逆らって泳ぐのは、流されないための「走流性」という行動です。目と体表の感覚で水流をとらえるしくみ、水槽のフィルターで気をつけたい点、放流してはいけない理由までやさしく解説します。

なぜメダカは流れに逆らって泳ぐのか?

水そうのメダカが、みんな同じ向きにそろって泳いでいる。そんな姿を見て、不思議に思ったことはありませんか。メダカは、流れに逆らって泳ぐ魚です。その理由を、観察のポイントとあわせて見ていきましょう。

まず結論:流されないための「走流性」

メダカは、流れに向かって泳ぐ性質をもっています。これを走流性(向流性)といいます。理科の教材でも、この行動には「流されてしまわないようにする」という意味があると説明されています。

メダカは何で流れを感じているのか

メダカはもともと、流れのゆるい小川や田んぼにすんでいます。観察すると、流れに逆らって泳ぐ様子がよくわかります。

流れを感じとる手がかりは、おもに二つあります。

ひとつは目です。まわりの景色が動くと、メダカはそれを追うように泳ぎます。縞模様の紙をゆっくり回すと、模様について泳ぐ実験もあります。

もうひとつは、体の表面にある感覚器です。多くの魚は「側線」で水の流れや振動を感じますが、メダカは側線ではなく孔器(感覚器の一種)で流れをとらえる、と理科教材で説明されています。目と体表の感覚を合わせて、メダカは自分の位置を保っているようです。

流れに逆らう理由は2つ

ひとつめは、すみなれた環境から流されないためです。川にすむ魚に共通する性質で、「ヨシノボリ」のように、胸の吸盤で川底の石にはりつく魚もいます。

ふたつめは、エサをとりやすいからです。上流から流れてくるエサに顔を向けて待つことができます。

では、メダカはいつも流れの中にいたいのでしょうか。そうとは限りません。メダカは泳ぐ力が強い魚ではないので、自然の中では、石や水草のかげなど流れの弱い場所で体を休めます。

 水そうのフィルターと流れの強さ

この性質は、飼い方にも関わります。ろ過装置(フィルター)で強い流れをつくると、メダカは流れに逆らって泳ぎ続け、疲れてしまいます。泳ぎ疲れて弱り、死んでしまうこともあります。

あなたの水そうに、流れの弱い場所はありますか。水草や石を置いて、メダカがいつでも休める場所を残せているか、いちど眺めてみてください。

メダカは環境の変化に強い魚

メダカは、いろいろな環境に対応できる魚でもあります。淡水(塩からくない水)だけでなく、塩分のある水でも生活できるため、河口の汽水域でも生きていけます。真冬に氷が張るような池でも、低い水温にたえます。

メダカを川に放流してはいけない理由

メダカを飼っている人に、ひとつ考えてほしいことがあります。飼っているメダカを川に放してもよいのか、という問いです。

結論として、放流は避けるべきだと考えられています。メダカは日本全国にいますが、地域ごとに別々の集団に分かれていることが、遺伝子の研究でわかっています。ちがう地域のメダカを放すと、もともといたメダカと交雑して、何万年もかけて育まれた地域ごとの遺伝的な多様性が失われるおそれがあります。環境省の資料でも、この点が説明されています。

また、メダカは環境省のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に登録されています。「かわいそうだから逃がす」という気持ちは、やさしさから生まれます。その気持ちが、川にすむメダカにどんな影響をあたえるのか。あなたなら、どう考えますか。

よくある質問

Q. メダカは、なぜ流れに向かって泳ぐのですか?
A. 流されないよう位置を保つためと、流れてくるエサをとりやすくするためです。

Q. 水そうのフィルターの流れは強すぎませんか?
A. メダカが流れに逆らって泳ぎ続けていたら、強すぎるサインかもしれません。水草などで、休める場所をつくってあげてください。

Q. メダカが増えました。川に放してもよいですか?
A. 避けてください。地域ごとの遺伝子を乱すおそれがあります。

読んでみよう
環境省「絶滅のおそれのある野生動植物種の生息域外保全:メダカ」

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