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理科の質問箱

鉄が塩酸に溶ける理由は?銅や金が溶けないワケ(スリームーンくん)

鉄は塩酸に溶けますが、銅や金は溶けません。理由は、金属によって「イオンになりやすさ」がちがうからです。鉄は水素よりイオンになりやすい金属です。銅や金は、水素よりイオンになりにくい金属です。この記事では、その仕組みを順番に説明します。

そもそもイオンとは?塩が水に見えなくなる理由

塩を水に入れると、いつのまにか見えなくなります。これは、塩がイオンという、とても小さなつぶになって水にまざるからです。

イオンとは、原子が電気を帯びた(電気をもった)状態のものです。

イオン化傾向とは?金属の順番を知ろう

鉄や金などの金属は、すべて原子が集まってできています。ただし、イオンになりやすいかどうかは金属ごとにちがいます。この「イオンへのなりやすさ」の順番をイオン化傾向といいます。

イオンになりやすい順番

順番 物質 イオンへのなりやすさ
1 アルミニウム いちばんなりやすい
2 鉄 なりやすい
3 水素(金属ではない) 基準になる
4 銅 なりにくい
5 銀 もっとなりにくい
6 金 いちばんなりにくい

水素より上にある金属は、塩酸に溶けます。水素より下にある金属は、塩酸には溶けません。

鉄が塩酸に溶ける仕組み

水素が発生するのはなぜ?

塩酸は、塩化水素という気体が水に溶けたものです。塩酸の中には、水素イオンがたくさんふくまれています。

ここに鉄を入れると、鉄のほうが水素よりイオンになりやすいため、鉄は鉄イオンになって溶けます。かわりに、水素イオンはもとの水素にもどります。これが、鉄が塩酸に溶けると水素が発生する理由です。

アルミニウムも水素よりイオンになりやすいので、同じように塩酸に溶けます。

銅や銀が塩酸に溶けないのはなぜ?

銅や銀は、水素よりイオンになりにくい金属です。そのため、塩酸の中の水素イオンと入れかわることができません。

塩酸に入れても、ほとんど変化は起こりません。ただし、硝酸のように金属をイオンにする力が強い酸には、銅や銀も溶けます。

金は本当に溶けない?王水と硝酸のひみつ

金は酸に溶けにくく、さびにくい金属です。このため、昔から大切にされてきました。でも、金を溶かす方法もあります。

塩酸に硝酸という強い酸をまぜると、金を溶かせることがわかりました。この液体は、なんでも溶かすということで王水とよばれました。硝酸には、金属がイオンになるのを助けるはたらきがあります。

王水は、昔は錬金術(ほかの物質から金をつくろうとした研究)で使われていました。
(Q50.を見てみよう)

金の使い道:金メッキ・携帯電話・リサイクル

今では、金を溶かして指輪や食器にうすくかぶせることがあります。これを金メッキといいます。金は、病気を治す薬品や器具にも使われています。

また、金は電気を通しやすい金属です。そのため、携帯電話などの電気製品にも使われています。

いらなくなった製品からは金を取り出して、もう一度使っています。これをリサイクルといい、大切な資源をむだにしないための工夫です。

実験をするときの注意

塩酸も王水も、皮ふや目につくととても危険です。特に王水は危険な液体なので、家では絶対に扱わないでください。

実験は、学校で先生の指導のもとで行いましょう。保護めがねや手ぶくろを必ず着けてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 金は本当に何にも溶けないの?
A. いいえ、王水には溶けます。王水は塩酸と硝酸をまぜた液体です。とても危険なので、専門家だけが扱います。

Q. 銅は酸に溶ける?
A. 塩酸には溶けません。銅は水素よりイオンになりにくいからです。ただし、硝酸には溶けます。

Q. 鉄が塩酸に溶けると、何の気体が出るの?
A. 水素が出ます。塩酸の中の水素イオンが、もとの水素にもどるためです。

Q. 金がさびにくいのはなぜ?
A. 金はとてもイオンになりにくい金属だからです。空気や水とほとんど反応しないので、長い年月がたっても美しい輝きが残ります。

Q. アルミニウムも塩酸に溶ける?
A. はい、溶けます。アルミニウムは水素よりイオンになりやすい金属だからです。

まとめ

・金属には、イオンへのなりやすさの順番(イオン化傾向)があります。

・鉄やアルミニウムは水素よりイオンになりやすいので、塩酸に溶けて水素が発生します。

・銅・銀・金は水素よりイオンになりにくいので、塩酸には溶けません。

・金も、塩酸と硝酸をまぜた王水には溶けます。

・金は金メッキや携帯電話に使われ、リサイクルもされています。

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